金利上昇時代にポートフォリオをどう組む?FPが実践する「株・債券・REIT」再配分戦略

金利上昇時代に資産を守る方法を解説するブログのトップ画像。ネイビーとゴールドを基調に、スーツ姿の男性FPイラストと上昇するグラフ、電卓のアイコンが配置されたデザインで、「金利上昇時代、どう資産を守る?FPが教える 株・債券・REIT再配分戦略」というタイトル入り。信頼感と専門性を表現。 【3】資産形成・投資
金利上昇時代に資産を守る方法を解説するブログのトップ画像。ネイビーとゴールドを基調に、スーツ姿の男性FPイラストと上昇するグラフ、電卓のアイコンが配置されたデザインで、「金利上昇時代、どう資産を守る?FPが教える 株・債券・REIT再配分戦略」というタイトル入り。信頼感と専門性を表現。

2025年秋、日銀の長期金利誘導目標は1.25%へ。 アメリカでは政策金利5.25%が長期化し、「高金利が続く」時代に突入しました。

これまで“低金利ありき”で作られた投資ポートフォリオは、 今まさに再設計のタイミングを迎えています。

私はFP(ファイナンシャルプランナー)として、これまで1000世帯以上の家計運用を見てきましたが、 この金利環境の変化を軽視している人が非常に多いのが現実です。

この記事では、実際の相談データとFP自身の運用実績をもとに、 金利上昇時代における「株・債券・REIT」再配分戦略を詳しく解説します。


このブログでわかること

  • 金利上昇局面で“株・債券・REIT”がどう動くか
  • FPが実践する「リスク抑制型」ポートフォリオ再構築術
  • 実際の運用データから見る資産配分の最適化事例
  • 2025年秋以降に向けた中長期投資の考え方

1. 金利上昇=すべての資産に影響する

まず前提として理解しておくべきは、 金利上昇=「資産全体の値付けが変わる」ということです。

たとえば、金利が1%上がると以下のような影響が起きます。

  • 債券価格:▲約8%(10年国債換算)
  • 株式:PERが低下 → バリュエーション調整(特にグロース株)
  • REIT:借入コスト上昇 → 分配金利回り上昇で価格下落圧力

つまり、金利上昇はすべてのアセットクラスに波及します。 特に「債券の安全神話」「不動産の安定感」は過去ほど通用しません。

FPとして注目しているのは、 「金利上昇局面では“配当・インカム”が相対的に強くなる」点です。

つまり、株でもREITでも「配当をもらいながら待てる構造」に変えることが 今後10年の戦略の要になります。


2. FPが再設計した「金利上昇対応型ポートフォリオ」

私自身の家計ポートフォリオを例にとって解説します。

従来(低金利時代)

  • 株式:60%(うち米国株50%)
  • 債券:20%(国内外)
  • REIT:10%
  • 現金:10%

2025年版(高金利対応)

  • 株式:45%(米国30%/日本10%/新興国5%)
  • 債券:25%(短期・中期国債中心)
  • REIT:15%(J-REIT+海外REIT分散)
  • 現金・外貨:15%(ドルMMF+普通預金)

ポイントは、「株の比率を下げて、債券とREITで安定収益を補う」こと。 特に米国金利が5%台で固定される環境では、短期債や社債ETFでも十分な利回りを確保できます。

私が実際に運用している例では、 ・米国短期債ETF(SHY)=年利約4.8% ・国内個人向け国債(変動10年)=年利0.6〜0.9% ・J-REIT平均分配金利回り=4.1% と、分散しながらも年3.2〜3.5%の実質利回りを維持できています。


3. 株式の再評価ポイント:グロース→バリューへ

金利上昇局面では、“将来キャッシュフローを重視するグロース株”が不利になります。 実際、2024年末〜2025年前半にかけて、 NASDAQ銘柄の平均PERは27倍→21倍に調整されました。

一方で、金利上昇期に強いのがバリュー株・高配当株です。 特に以下のような業種はインフレ・金利上昇に耐性があります。

  • 金融(銀行・保険)
  • エネルギー(商社・インフラ)
  • ディフェンシブ(通信・食品)

私が顧客に提案している比率の目安は以下の通りです。

株式カテゴリ比率特徴
高配当株25%年利3〜5%で安定配当
グロース株10%リスクを限定的に
インデックス投信10%分散の基本構造

“グロース一辺倒”ではなく、“インカム中心”に重心を移すのが 金利上昇局面の王道戦略です。


4. 債券の再評価:リスクを取らずに「利回りを得る」時代

これまで「債券=退屈な資産」と思われてきましたが、 2025年の今はむしろ“おいしいタイミング”。

米国2年債は利回り4.8%、 日本でも個人向け国債の変動金利が0.9%前後と、 預金より数倍高い利回りを確保できます。

FP的には、以下のような分散が現実的です。

  • 短期債ETF(米国・先進国)…20%
  • 国内国債 or 個人向け国債…5%

債券は「下落リスクを限定しながら金利を取りに行く」ポジション。 株と違って「安定的なキャッシュフロー源」として機能します。


5. REITの再評価:利回り4%超、長期で“再浮上”の可能性

金利上昇で一時下落したREIT市場ですが、 2025年は「分配金の安定化」で見直しが進んでいます。

特にJ-REIT平均利回りは4.1%、米国REITは4.5%超。 利上げのピークが見えれば、価格反転のチャンスが出てきます。

FPとしての提案は以下の通り。

  • 住宅・物流REIT:守りの中心(利回り3.5〜4.5%)
  • オフィス・商業REIT:上昇余地を狙う(リスク高)

REITを“短期値上がり狙い”ではなく、 「配当再投資で年4%インカムを積み上げる」資産として捉えることが肝です。


6. FPが推奨する金利上昇時代の「最適配分モデル」

資産クラス比率想定リターン
株式(高配当・インデックス)45%3.5〜5.0%
債券(短期・変動金利型)25%3.0〜4.0%
REIT(国内+海外)15%4.0〜4.5%
現金・外貨・金15%1.0%前後

トータルで年利3.5〜4%前後の「インフレに強い安定型ポートフォリオ」になります。


7. まとめ|“増やす”より“守る+育てる”へ

金利上昇時代における最大のポイントは、 「リスクを取りすぎないこと」。 資産運用は“守りながら増やすフェーズ”に入っています。

これまでの「株一強」ではなく、 金利×配当×分散の3軸で考えること。 これがFPとしての2025年以降の鉄則です。

あなたのポートフォリオも、 「金利上昇に耐えられる設計」になっていますか? 今こそ見直すチャンスです。

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